シン・ゴジラ、石原さとみ&長谷川&竹野内の英語力を比較。差がパネェ。

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この夏いちばんの話題となった、シン・ゴジラ!皆様ご覧になりましたか?

ゴジラシリーズ前作の「ゴジラFINAL WARS」から12年ぶりの国内ゴジラ映画、そして「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明が脚本・総監督を務めるということで、ウキウキで観に行ってきました!

今回はなるべく前半ネタバレにならないよう注意しながら、シン・ゴジラ登場人物の英語力について触れていこうと思います。(後半だけちょっとネタバレ)

ゴジラよりファンタジックな石原さとみ

ちなみに「ファンタジック」は和製英語で、fantasyの形容詞はfantasticです。

日本では「素晴らしい!」という意味のほうの口語が有名すぎて、ファンタスティックと言うと違和感があるのかもしれませんね。

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さて本題に戻って、作中で英語を話すのはメイン3人。

・矢口蘭堂(長谷川博己)
内閣官房副長官(政務担当)

・赤坂秀樹(竹野内豊)
内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)

・カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)
米国大統領特使。日本人の祖母をもち、英語と日本語のバイリンガル。父親は上院議員。

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映画を観た方には何も言わずともおわかりでしょう、
石原さとみの英語の違和感はんぱねぇ

いや、いいんです、ゴジラ自体ファンタジーですから!それに石原さとみが悪いんじゃないんです。あれはアメリカ人で英語ネイティヴという設定がいけないんです。

カヨコの英語は日本人があれだけ話せたらスゴイよ!というレベルです。早口ですし、早口の中でもきちんと発音を意識しています。でもネイティヴは無理があるんです・・・!

彼女の「ガッズィーラ」という発音は、どうしてもふざけているように聞こえてしまいます。これは日本語の発音にはない、「L」の音が入っているからですね。(逆に言えば「God-Zi」まではイイんです。英語の抑揚を表現できています。)

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態度や発言が大げさなのも「アメリカ人あるある」ですし、日本語と英語が混ざるときにルー大柴になってしまうのも「バイリンガルあるある」です。

日本の女優さんで英語の発音がネイティヴじゃないのは当然なんだから、もうちょっと設定条件を緩くしてあげればよかったのに・・・。

逆に日本語のセリフでは、「つ」の発音に違和感があったり、「蘭堂」のdouの部分なんて、あーそうそう、アメリカ人はダメだよねこの発音、と思うほど上手な「日本語ネイティヴではありません感」を出していました。

アメリカ人より英語が綺麗な日本人

ゴジラは元々ファンタジーだし、日本向け映画だし、石原さとみは文句なしに可愛いし、違和感があっても「まあ、仕方ないよね」というレベルです。

それなのにどうしてこんなにも違和感が凄まじいのかと言うと、
日本人ふたりの英語がうますぎる。

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長谷川博己演じる矢口蘭堂と、竹野内豊の演じる赤坂秀樹。正直、ネイティヴなはずのカヨコより英語うまいんだよね・・・。

メイン三人の英語を比べてみる

シン・ゴジラでは日本人役のおふたりのセリフは日本語メインなので石原さとみさんのセリフの英語量と比べてしまってはかわいそうなのですが、それにしても綺麗な英語です。

長谷川博己さんは2015年のウイスキーのCMでも英語を話しています。流暢ではありますが、シン・ゴジラでの英語のほうがよりスムーズで綺麗な発音でした。練習されたのでしょうか。

竹野内豊さんの英語もスゴイですね~!こちらは2011年のもの。時々日本語っぽい発音が出てしまいますが、Rの発音がとても綺麗です。抑揚も素晴らしく、英語話者のリズムです。

ここで2015年の石原さとみさんの英語を・・・。やはり、シン・ゴジラでの英語のほうがこのCMよりずっと流暢で綺麗でした。

過去の英語とシン・ゴジラでの英語を比べると、お三方ともかなりのレベルアップです。とにかく早口のセリフが多かったので、かなり苦労をされたことでしょう。

長谷川博己の英語

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長谷川博己さんのお父様は建築史教授の長谷川堯氏。一家でイギリスに住んでいたこともあり、長谷川博己さんは小学校の一年間を現地の学校で過ごされているようです。

日本人学校でなく現地の小学校で一年というのは、かなり大きいです!授業どころか、いきなりトイレも食事も困ります。子供は友達もできないと大問題です。

幼い頃に英語で生活していると、語彙や思考は日本語に上書きされていってしまっても、英語の発音やリズムの土壌があるので日常的に英語を使っていればすぐに綺麗な英語を話せるようになるはず。だから違和感のない英語を話せるんですね!

竹野内豊の英語

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シン・ゴジラでは石原さとみさんの英語ばかりが話題になってしまうのではないかと思いますが、その違和感よりも注目していただきたいのは特に竹野内豊さんの英語力。

ダントツに英語が綺麗でした!!RとLの区別もしっかり聞き取れましたし、英語の抑揚、リズムは見事なものです。

竹野内豊さんは2009~2010年のドラマ「不毛地帯」で英語を使う役どころだったため、アメリカ人の講師に毎日3時間のレッスンを受けたそうです。なるほどアメリカ人のRの発音!

その頃39歳ですから、大人になってから体得した英語なんですね。これにはかなり驚きました。

若い頃であれば簡単に身についてしまう発音や抑揚ですが、大人になってからここまで話せるようになる人はなかなかいません。それから6年も経っているのにシン・ゴジラであの英語力・・・!

努力次第でここまで英語を話せるようになるという、希望の星です。

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まだまだ公開中のシン・ゴジラ。セリフは早いものが多いですが、難しい単語は殆ど出てきません。何度か観ればすべて聞き取れる程度の英語です。

俳優さんそれぞれの英語に注目して、もう一度観てみるのも面白いですよ!

おまけのちょっとネタバレ

石原さとみの起用については色々な説が唱えられています。

  • 将来大統領!と夢を語るファンタジックなカヨコの存在が、ゴジラという巨大な場違い生物の場違い感を薄めるのに一役買っているのでは?
  • 明らかに浮いているカヨコが、強硬派であるはずのアメリカ陣営と被爆の歴史を持つ日本との温度差の象徴なのでは?
  • ゴジラと政界と男たち、ではむさ苦しいビジュアルになってしまうところで石原さとみの可愛さは救いがある

などなど、という「この違和感こそが監督の狙い」説も。

英語の違和感から色々な深読みができてしまう映画でした。皆様はどうご覧になりましたか?

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