アメリカ人のお正月。”Happy New Year”=明けましておめでとう、ではない?

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前回、アメリカ人はクリスマスは家族で過ごすという記事を書きましたが、日本人にとってはクリスマスよりもお正月が家族で過ごすイベントというイメージですよね。

今回はアメリカ人のお正月の過ごし方と休暇についてご紹介していこうと思います!

カウントダウンはお祭り騒ぎ

日本人がクリスマスに友達や恋人とパーティをしたり素敵なレストランで食事したりする中、意外にもアメリカ人は家で静かにクリスマスを過ごします。レストランも軒並み休業。街はシーンとしています。

これって日本のお正月と似ていませんか?お店はお休みで、みんな家で過ごす元日。

ではアメリカの元日はというと、カウントダウンパーティー!!元日というより大晦日がメイン。とにかくカウントダウンが大盛り上がり!レストランやホテル、クラブなどでは盛大なパーティーが開かれ、皆でカウントダウンをして年が明けた瞬間花火や爆竹などで大きな音を鳴らし、恋人とキスをする・・・ちょっと日本のクリスマスに近いかもしれません。

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カウントダウンの名所はニューヨークのタイムズスクエアで、毎年100万人を超えるたくさんの人が集まります。

「タイムズスクエア・ボール」と呼ばれる報時球がカウントダウンと共に下がり始め、0時ぴったりに下がり切ると周りの高層ビルからド派手な紙吹雪が降り注ぎます。

これは“Ball Drop”と呼ばれていてテレビで放送され、アメリカ人のほとんどがこの瞬間を見守っています。

日本の「ゆく年くる年」とは正反対のテンションですね!個人的には毎年アメリカ中の人が「TOSHIBA」の文字を見ていると思うとスゴイ宣伝効果だろうなぁ~といつも思っています(笑)

年が明けるとカップルはキスをして、皆で“Happy New Year!!”を言い合いシャンパンで乾杯します。そのまま夜通しパーティーする人もいれば、テレビで年明けの瞬間を見たらちょっとだけ飲んで眠りにつく人も。

アメリカ流、元日の過ごし方

1月1日、アメリカ人の多くがRose Bowlと呼ばれるフットボールの試合を観戦します。カリフォルニアにあるローズボウル・スタジアムで行われる、一年でもっとも盛り上がるフットボールゲームです。

アメリカではやっぱりフットボールが一番人気。殆どの人が自分の地元や出身地の大学のチームを応援していて、野球のワールドシリーズよりも高い視聴率を叩き出すこともしばしば。

日本人の「駅伝」のような恒例行事ですが、フットボールはワイワイ大騒ぎの大盛り上がり!

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これが終るとアメリカ人の「お正月」は終了です。

元日が終わればアッサリしたもので、余韻も何もなく次の日からはみんな平日モード。”Happy New Year!”も、日本の「あけましておめでとうございます、本年も何卒宜しく」というようなイメージではなく、大晦日と年が明けた瞬間に言い合うだけ。

“Happy New Year”は”Have a happy new year”「素敵な新年を送ってね」という意味なので、年末から言ってもおかしくない言葉なんですよ!「あけましておめでとう」ではなく、「良いお年を」なんですね。

アメリカの祝日は日本より少ない!?

アメリカでは12月20日くらいからクリスマス休暇を取り、1月1日まで休んで2日からはいつも通り仕事や学校に戻る人が多いです。

この期間は皆口々に“Happy Holidays!”「良い休暇を!」と言い合います。様々な宗教を持つ人たちの住むアメリカではクリスマスをお祝いしない人もたくさんいるので、新年までの休暇シーズンをまとめてHolidaysと言っているんですね。

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とは言え「祝日」となっているのは25日のクリスマス当日と元日だけなので、他の日は仕事をしている人もいます。

アメリカ人はたくさん休暇を取るイメージがあるようで、よくそんな質問も受けますが、ヨーロッパのようにバカンスがあるわけではなく年間の祝日は10日しかないんですよ!日本の祝日は15日ですから、だいぶ少ないですよね。

企業の年末年始やお盆休みといったものもないので、各自自由に有給を取るだけで実は稼働日数で言うとアメリカの方が多いくらいなんです。

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ただ日本と違い有給休暇は各自当たり前に取るもので、残業もしない人が殆どなのでライフスタイルとしてはゆったりなイメージ。勤務時間内にキッチリと仕事をこなし、仕事が終わればサッサと帰るし、余裕があればランチを何時間も取るし、金曜の午後なんて仕事している人のほうが少ないくらい(笑)

とはいえ不況のあおりを受けて、最近では休暇を取らないアメリカ人も増えているそうです。わたしの周りにはいませんが・・・。あまり働かないイメージのアメリカ人も、実はヨーロッパのバカンスや休暇の多さ、労働時間の短さを羨んでいたりするのです。

時差とテレビの裏話

さて、話をもう一度タイムズスクエアのボールドロップに戻しましょう。ちょっと疑問に思いませんでしたか?

アメリカは広い。そう・・・国内で時差があるんです。

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タイムズスクエアのあるニューヨークはアメリカ本土ではいちばん最初に年が明ける東部標準時(EST)のタイムゾーン。

じゃあ、他の地域ではこの中継ってどうなっているのかと言うと、それぞれの地域のカウントダウン名所に場所を移しながらこの後中央標準時(CST)、山岳部時間(MST)、太平洋時間(PST)と合計4回のカウントダウン中継をするそうです。西海岸だとディズニーランドのカウントダウンが有名ですね!

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アメリカでテレビを観ていると、こんな表示をよくみかけます。
January 22nd 10/9c
この10/9cというのは、東部標準時(EST)では10時、中央標準時(CST)では9時からという意味。

つまり山岳部時間(MST)と太平洋時間(PST)の地域の人はそれぞれここから-2ずつして8時と7時からということになります。更にMSTにはサマータイム導入のない地域もあるので更に混乱します。めんどくさーい!!

でもそれなら、ニュースやスポーツの生放送はどうなっているんだろう?
スポーツはどうやら時差の兼ね合いで開始時間がかなり限られているようなのですが、朝のニュースは??アメリカ人に聞いてみました。

「録画だよ!」

えーっ、録画・・・。

朝のニュースが録画って、なんだか日本人にはカルチャーショック。スポーツの試合でもドラマでも、ネタバレが嫌な人には時差大敵だろうなぁ・・・。だからアメリカでTwitterはあんまり流行らなかったのかもしれないな・・・。

ちょっとシュールなアメリカのテレビ事情でした(笑)。

正反対の日本とアメリカのお正月、如何でしたか?我が家ではクリスマスはアメリカ式、お正月は日本式のハイブリッド(笑)。皆様もいいとこ取りで休暇を楽しんでくださいね。

Happy Holidays!!