強盗に遭った友人Aと、彼の教訓。

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ワシントンDCの治安。悪いとこもあれば、良いとこもある。

私の住まいはワシントンDC中心部から電車で20分。

危険な目に遭ったことは一度もなく、とっても平和に暮らしています。

でも、地域によっては犯罪率が高いのも確か。

この道挟んで向こう側が、かなり危険」といったように、地元民にしか分からない情報もあったりします。

最近になって引っ越した主人の友人Aが、正にこの道挟んだ向こう側」に住んでしまいました

その結果、3月17日のSt. Patrick’s Day (アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日となる祝日。アメリカではこの日、パレードがあったり、終日ビールを飲んだり、アイルランド料理を楽しんだりするお祭りになる)に事件は起きました。

夜中2時過ぎに友人3人とバーから自宅へ戻ろうとした際、自宅前で銃を顔に突きつけられ、財布や携帯を強盗されたのです。

事件に至ったまでの経緯と、友人Aが重ねてきた選択

友人Aは、主人と同じロースクールに通う学生。

白人、身長190センチ、趣味はランニング。

彼のルームメイトも、同じロースクールの学生。

白人、身長は175センチ程度。

その二人が、事件の起きた地域に移り住んだのが、2012年1月。

周囲からそこは「結構危ない地域」と聞いてはいたものの、「男性二人だし、大丈夫でしょ」と思ったんだと言います。

それに、引越し先アパートには、同じロースクールの学生も以前住んでいたとの情報もあり、これまた「大丈夫でしょ」と思ったそう。

が、いざ引っ越してみるとそこは、いわゆる「黒人コミュニティ」。

以前住んでいたという「同じロースクールの学生」は、黒人だったことも判明。

しかし、コト既に遅し

マジメなロースクールの白人男子学生2人が、低所得黒人コミュニティに入り込んだとなれば、目立つ、目立つ

そして、事件当日の3月17日

友人と深夜まで飲んできた帰り道。女友達も一緒。

自宅アパート前で、黒人3人がたむろしているのが遠くから見えたそう。

ここでも、「ま、大丈夫でしょ。目を合わさず、さっさと行こう」との判断。

更に、「黒人が自宅前にいるから、という理由だけで危険だと判断するのは人種差別になるから」と、前進した友人達。

自宅前に着き、ふと顔を上げた瞬間、これまたコト既に遅し

先ほどの黒人3人は、覆面マスク

銃を友人達の眉間に突きつけ、財布、携帯を強盗し、逃げて行ったそう。

警察にすぐに通報した友人達。そして、警察の取った行動

震え上がった友人Aら3人。

すぐさま警察に通報すると、黒人女性警官が現れ、事情聴取。

しかし、強盗犯らが逃げ込んで行ったアパートを指差し、「あそこにいるはずだ」といくら訴えても警官はノーアクション。

犯罪の巣と化しているアパートに、闇雲に入り込むのは・・・という反応。

いやいや、確実に強盗犯がいるじゃん!と言っても、のれんに腕押し状態。

でも、代わりに黒人女性警官に言われたのは、

なんでこうなる前に、警察に通報しなかったの!?

とのお叱り。

単に黒人を見たからと言って危ないと決め付けるのは人種差別になると思った、と説明する彼らに、黒人女性警官が更に、

夜中2時に黒人男性3人が自宅前にいるなんて、明らかに犯罪のニオイしかしないじゃないの!

とピシャリ。

黒人女性警官からそんなことを言われるなんて・・・とショックを隠しきれなかった3人。

でも、それが現実なのかもしれません。

結局、警官からは事件解決になるようなことを何一つしてもらえなかった友人達。

そして、事件後も何度か「狙われている気配」を感じた友人Aとルームメイト。

すぐさま安全なエリアへの引越しを決めました。

友人Aが語る、事件の教訓

ロースクールに通うくらいなので、公平や平等といったことに日頃から意識を向けている友人A。

そんな彼の身に降りかかった今回の事件。

これまで黒人だから危険だっていう先入観は間違ってると思い続けてきたのに、今回のことで正直その気持ちが揺らぐよね」と寂しそうに語っていました。

でもここで決して、やっぱりアメリカって危険なんだ」とか、「黒人ってやっぱり怖いんだね」とか思わないで欲しいんです。

確かに、アメリカには日本以上に危険な場所があります。

確かに、怖い黒人もいます。

でも、アメリカ全土が危険なわけではないし、黒人全員が怖いわけでもありません。

今回の事件に至るまでには、友人Aにはいくつかの落ち度がありました。

それは、治安に関する情報収集の怠り

危ないと聞いていても、「男性2人だし、大丈夫でしょ」という安易な考え

「誰かが家の前でたむろしている」と思っても、「大丈夫でしょ」、「黒人だからって危険なわけじゃない」と自分に言い聞かせた低い危機感

どこかでこの内のどれかを軌道修正できていたら、事件は未然に防げたはずです。

また、これはアメリカに住む人、誰にでも当てはまる留意点。

友人Aが危険なその地域から、新しい安全な場所へと引っ越す当日。

自宅窓から外を見ると、男性2人が激しい殴り合いの喧嘩をしていたそうです。

本当にここは危険な場所だったんだという確信と共に、自分の甘さを強烈に痛感させられた、と語っていました。